●[温故知新 万葉の食・神の食・仏の食
 ・・・そして今。]

奈良新聞に掲載
2010年2月21日

2010年2月21日、奈良新聞を掲載
・奈良でスローフード全国大会
・講演や特産品販売
・生産者と消費者のきずなを結んだり、味覚教育
などの活動をしているNPO法人スローフード
ジャパン(宮城県仙台市)の全国大会(スロー
フード奈良主催、スローフードジャパン共催)が
3月6日、奈良市春日野町の県新公会堂で開催
される。会員総会のほか、一般の人も参加できる
記念講演や同会場ロビーで県の特産品コーナーも
設けられる。一般、会員合わせて約600人の参加
を見込んでいる。大会は「温故知新 万葉の食、
神の食、仏の食・・・そして今。」がテーマ。
記念講演は午前中に能楽ホールで行われ、
ノンフェクション作家の島村菜津さんが
「環境の世紀とスローフード」奈良文化財研究所
主任研究員の馬場基さんが「青丹よし寧楽の都の
食事情━平城宮・京出土木簡の様子から」と
題してそれぞれ話す。参加無料。午後からは
活動事例報告や総会、交流会がある。
スローフード奈良の尾川欣司会長は「奈良の都の
宮廷料理は料理のルーツ。全国大会を機会に
奈良を大きくPRしたい」と意気込んでいる。
問い合せはスローフード奈良事務局、
電話0743(53)3588。


奈良新聞に掲載
2010年3月4日

2010年3月6日、奈良新聞を掲載
・6日にスローフードジャパン全国大会in 奈良
・食は命の「源」展示や講演で見つめ直して
・監事の尾川氏に聞く
  地域固有の伝統的な食文化や食材を見直し、豊かにゆっくり生きる上で欠かせない「食の喜び」を取り戻そうという、イタリア発祥の国際的な運動「スローフード」。日本でこの運動を展開する特定非営利活動法人スローフードジャパンの全国大会が6日、奈良市の県新公会堂で開かれる。スローフードジャパンの監事で、その奈良支部にあたるスローフード奈良の代表、尾川欣司さんにスローフードとは何かや大会の見どころを話してもらった。
■ 味の箱舟計画
-スローフードはどのように始まったのか。
尾川 食卓は子どもたちにとって学習の場。子供もも大人もわいわいと寄る中で子供たちはいろいろなことを学ぶ。ところが子どもたちが食の輪に入ってこなくなった。1986年にイタリアのピエモンテ州ブラという町で、スローフードインターナショナル現会長のカルロ・ペトリーニ氏らがそんな話しを始めてスローフード運動が始まった。
尾川 ペトローニ会長が三つのことを提唱している。まず「味の箱舟計画」と言っているが、固定在来種の保護。地域の消えようとしている食品を保護・支援する。一度途絶えてしまったら終わり。「大和の伝統野菜」に認定されている青ネギ「結崎ネブカ」は、市場から消えた後、ある農家が自家用に育てていたものを発掘した。二つ目は小規模生産者。食の大型化が進み食源病の問題も出てきた。生産者と消費者を結び、小規模でも質の高い生産者をかけがいのない食として支援する。三つ目は食育。情報発信、味覚教育をしていく。僕はいつも言う。「食は命」と。体を動かしているのは水と食べ物だけ。観念的には他にもあるだろうが、現実的にはその二つ。その質の良しあしで健康を維持できたり体が弱ったり、思考回路にまで影響する。健康な体をつくるには健全な食が必要。
■奈良のDNA
-奈良での全国大会は「温故知新 万葉の食、神の食、仏の食・・・そして今。」がテーマだが、見どころは。
尾川 日本の食の始まりは奈良。平城京に全国から貢物が集まり、奈良の人にはおいしいものを食べたDNAが備わっているのでは。奈良で全国大会を開く意義はある。春日大社からおん祭りの供え物のパネルをお借りして展示したり、万葉時代の食事を再現した料理も展示する。また、木簡には食べ物の話しがいっぱい書かれているそうで、奈良文化財研究所の方に講演してもらう。イタリアが本部のスローフードインターナショナルの国際事務長の記念スビーチもある。食を取り巻くグローバルな話しが聞けると思う。
-大会への期待を。
尾川 多方面から食というものを考えられる機会になると思う。物産展など食を楽しんでもらえる企画もあるので多くの人に足を運んでいただきたい。
(おがわ・きんじ=スローフード奈良コンビビウムリーダー、フランス料理店「ル・ベンケイ」オーナーシェフ)