スローフードとは?
 

「スローフード」という言葉のはじまりは、1976年ぐらいに、
ローマにファーストフードチェーン店が進出し、
イタリアのマスコミが騒いでいた頃にさかのぼります。
のちのスローフード協会会長となるカルロ・ペトリーニ
(Carlo Petrini)氏が、仲間と食卓を 囲んでいた時に、
現代産業社会がもたらした過剰なスピードの文明と
ファーストフードへの脅威が話題にのぼり、誰からともなく
「スローフード」という言葉が生まれました。
「スロー」とは、ただゆっくり時間をかけて食事をしよう、
ということではありません。生き物としての私たちを支える
「食」について、一度じゅっくり考え直してみてはどうかという
提案です。おいしく楽しく食事をするのは、私たちの生きる
権利である、というのがペトリーニ会長の考えです。
それは放蕩的な食道楽ではなく、真剣な生活の思想です。
新しい時代の価値を「食」を通して、すなわち多様な素材、
調理法、歴史、文化、農業、経済、心理、社会、環境など
多方面から語り合いながら、探していこうという姿勢なのです。

  スローフードの誕生
  1986年、カルロ・ペトリーニ(Carlo Petrini)氏は食文化を
守るための団体として、スローフード協会の前身となる会を
はじめ、1989年より正式に協会を発足させ、
「スローフード公式宣言」 が発表されました。
本部は北イタリア、ピエモンテ州にあるブラという小さな村。
ここからスローフードの運動は世界83か国、約150の都市に
ひろがり、今では8万に近い会員が、それぞれの地域で
独自の活動を続けています。
各支部はコンヴィヴィウム(Convivium)と呼ばれますが、
これは「ともに生きる」ことが語源の「共食、饗宴」を
意味します。
  スローフードの活動内容
 

スローフード協会は非営利団体で、いわば食文化を育てるための
ボランティアの集まりです。考え方の柱には大きく分けて、
以下の3つがあります。
1 消えつつある郷土料理、質の高い食品を守ること。
   (味の方舟)
2 質の高い素材を提供してくれる小規模生産者を
    守ること。(プレジディオ)
3 子どもたちを含めた消費者全体に、真の味覚の教育を
    進めていく。(食育)

協会の主な活動内容は、出版活動、食育のワークショップ、
食材の研究会、テイスティングや会食です。
2年に一度トリノで行われる食の祭典、
「サローネ・デル・グスト」 、同じく2年に一度ブラで行われる
「チーズの祭典」。放っておけばなくなってしまう食材を救う
「味の方舟とプレジディオ(保護品目)」 も大切なプロジェクト
です。2004年には「食の大学」創設され、食を多方面から
学術的に研究する真の「ガストロノミー学部」と
農業とエコロジーの体系的学習から新しい世代の農業従事者を
輩出する「農生態学部」が開講しました。
スローフード大学
この世界で唯一の大学施設では、食文化の再生を試みます。
最も高度な研究を行い、国際的エキスパートたちが教壇に立ち
彼らの出会いの場としても機能することでしょう。
イタリアのポッレンツオとコロルノの美しい2つのキャンパスに、
世界中から学生をあつめます。マスターオブ・フード、講演会
会議、会合、集中講座など、会員の食環境のプロたちが参加する
場所もあります。
詳細はリンクからホームページを紹介しています。